ポリクリってどんな実習?~臨床現場で学ぶ10か月~

みなさん、「ポリクリ」という言葉を聞いたことがありますか?ポリクリはドイツ語の Poliklinik(ポリクリーニク) に由来していて、複数の診療科を順番に回る臨床実習のことを言います。ここでは、私自身の体験を踏まえて「ポリクリってどんな実習なの?」という疑問にお答えしたいと思います。慈恵のカリキュラムでは、4年後期から5年前期にかけて約10か月間ポリクリを行い、全ての診療科を回ります。内科は2週間、その他の診療科は1週間ずつの実習です。実習中は、カンファレンスや病棟業務、手術の見学などを通して、診療がどのように進められているかを理解します。また、先生の指導のもとで、患者さんへの問診や身体診察、カルテの記載、プレゼンテーションなどを実際に行います。こうした経験を通して、診療の流れを学び、医師や看護師、薬剤師など多職種が連携するチーム医療の一員としての役割を体験します。

これまでの講義や資料を中心に学んできた座学とは異なり、ポリクリからは臨床現場での学びが本格的に始まります。最初はわからないことも多く、不安を感じることもあるかもしれません。実際、私も最初は不安でした。でも、慈恵の先生方はとても優しいです。親身に指導してくださるので、楽しく実習に臨むことができました。また、これまで教科書で学んできた知識を、実際の患者さんを前にしてどのように活かすか、難しさを感じながら、体験することになります。医学が「病気を学ぶ学問」から「人を診る学問」へと変わっていく機会にもなりました。

ポリクリでは、さまざまな診療科を回る中で自分の興味や得意分野を知り、将来の進路を考えるきっかけになります。科によっては、その科を見ることができる最後のチャンスになるかもしれません。診療科ごとの特徴や雰囲気を体感できるのもポリクリならではです。同時に、自分にとって楽しい瞬間はどんな時か、どんな医師生活を送りたいか、など考えながら実習に臨むと、自分の将来について考える貴重な機会となります。また、実習は3~4人の班で行います。それぞれ各科に対する感じ方も異なります。班の仲間や友人と意見を共有することで、新しい視点や気づきを得られるのもポリクリの魅力の1つです。

ポリクリの期間は長く、日々の実習で忙しさを感じることもありますが、その分、得られる学びや刺激は非常に大きいです。現場での経験を通して、これまで学んだ知識への理解がより深まることも多くあります。受験生の皆さんには少し先の話になりますが、勉強以外の臨床実習の様子を少しでもイメージできるようになっていたら嬉しいです。