臨床現場に出て ~腫瘍・血液内科~
慈恵医大では、4年生の秋頃から病院での臨床実習が始まります。1年間かけて全ての診療科を回る全科臨床実習を行った後、次の1年間は自分で科を選んで実習を行うことができます。この選択制の実習は「診療参加型臨床実習」と呼ばれています。診療参加型臨床実習では、自分の興味に合わせて主体的に学ぶことが可能です。先生方も熱心に指導してくださり、2年間を通して充実した臨床経験を積めることが慈恵の特徴だと思います。この文章を通して、慈恵での臨床実習に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
この診療参加型臨床実習で、私は選択科の一つとして腫瘍・血液内科を選びました。腫瘍・血液内科と聞くと、日常ではあまり耳にする機会が少なく、どのような診療を行っているのか想像しづらいかもしれません。具体的には、白血病や悪性リンパ腫の入院患者さんに対して抗がん剤治療などを行っています。
まず、私がこの科を選んだ経緯について説明します。私が医師を志したきっかけは、末期がんの患者さんを取り上げたドキュメンタリー番組を見て、最期まで病気と闘う姿に感銘を受け、自分も力になりたいと思ったことでした。医学部に入学してからは、化学が得意だったこともあり、抗がん剤の作用などの基礎医学的な部分にも興味を持ちながら学びを進めてきました。4年生で病態や治療に関する臨床の勉強が始まった際、白血病は幅広い抗がん剤治療を行い、患者さんの年齢層も多様で、治療がその人の人生を大きく変える可能性がある点に惹かれました。4年次の全科必修実習で腫瘍・血液内科を回った際には、血液中の目に見えない細胞をさまざまな検査で分析し、病状や治療方針を考えていく過程におもしろさを感じました。また、小児科での実習でも白血病の患者さんと接する機会があり、家族も含めて病気が人生に与える影響を実感し、より一層この分野への関心が深まりました。その結果、全科実習終了後の選択実習でも再び腫瘍・血液内科を選びました。
5年生になってからの実習では、診療参加型臨床実習という名の通り、学生ができることが大幅に増えました。具体的には、先生方と一緒に入院初日の患者さんの問診や身体診察を行う機会があり、医師に一歩近づいたように感じました。実習中は、主治医や研修医の先生方とともに回診や検査・処置に同行します。また、科全体で行うカンファレンスでは患者さんの症例発表を担当したり、診断や急変対応のディスカッションに参加したりすることもできました。これらの経験を通じて、座学で得た知識を実際の臨床現場で活かし、より深く理解を深めることができました。さらに、実習の一環として学会に参加させていただき、他大学の先生方の講演を聴く機会もありました。
慈恵には、自ら進んで学べる環境が数多く整っており、臨床実習もその大きな魅力の一つです。ぜひ慈恵で興味のある分野を見つけ、積極的に学びを深めていってください。
学会参加時の写真です。私も近いうちに実習で学んだ症例を基に学会で発表しようと準備を進めています。