学生から見たユニット医学研究

受験生のみなさん、こんにちは。慈恵の受験生応援サイトをご覧いただき、ありがとうございます。今日は、医学研究に関心のある方に向けて、在学中から研究に取り組める制度を私自身の体験も交えながらご紹介します。慈恵には、「医学研究ユニット」という制度があります。これは、学生が研究室に所属して自ら研究を進め、その成果を学会発表や論文発表などの形で発表することで、単位として認定される仕組みです。医学研究ユニットを履修する目的はさまざまで、研究医を志す学生もいれば、3年次の研究室配属や先輩の発表に触れる中で研究の面白さを感じ、自然な流れで履修を決める学生もいます。

特にこのユニットで取得した単位は、将来的に研究医を目指す学生にとって大きなステップになります。在学中に6単位以上を修得すると、MD-PhDコース(医学士〈MD〉と医学博士〈PhD〉を並行して取得できる特別コース)への進学時に、博士課程の標準修了年限が4年から3年に短縮されるうえ、基礎医学系や社会医学系の分野に進学すると授業料の免除や返済不要の奨学金が利用できるなど、研究を継続しやすい環境が用意されています。それぞれの関心やペースに合わせて、柔軟に研究に取り組めるのが、この制度の魅力です。私が医学研究ユニットを履修しようと思ったきっかけは、高校時代にさかのぼります。当時は生物部に所属し、約1000匹のショウジョウバエを飼育して、メンデルの遺伝法則の追試実験に取り組んでいました。自分の手で実験を行い、理論を確かめていく過程に面白さを感じた一方で、設備の制約や受験との両立もあり、本格的な研究に踏み込むことはできませんでした。

その経験から、大学では、自ら仮説を立て、結果を考察し、新しい知見を生み出すような研究に挑戦したい――そんな思いを胸に慈恵に進学しました。慈恵の医学研究ユニットは、私にとってまさに自分が思い描いていた学びの形だと感じ、履修を決めました。研究室を選ぶ際には、関心のあった脳神経分野を中心に、いくつかの研究室を見学しました。その際、先生方から指導体制や研究室の雰囲気についても詳しくお話を伺いました。なかでも、解剖学講座は医学研究ユニットを履修する学生が多く、サポート体制がとても充実していると聞きました。最終的には、その丁寧な指導と温かいサポートに惹かれ、現在の「脳神経系の発生」をテーマとする研究室を選びました。実験手法からデータ解析の考え方まで、基礎から一つひとつ丁寧にご指導いただき、日々の研究を通して多くの学びと確かな成長を実感しています。

現在は、授業後や長期休みの時間を活用して研究室に通い、実験やデータ解析を進めています。私の研究テーマは、「嗅内皮質」と呼ばれる脳領域に注目したものです。 この領域は海馬への情報の出入口にあたり、統合失調症やアルツハイマー病などの患者で病変が報告されている重要な部位です。実験では胎児マウスの脳を用い、分子標識や免疫染色といった手法で脳切片を作製し、神経細胞の移動や形態を蛍光顕微鏡で観察・解析しています。 まだ実験デザインから考察までを一人で完結させるには至りませんが、得られたデータを通じて、先行研究にはない新たな示唆が得られるかもしれないという手応えを感じています。

受験生の皆さんにとって、研究は少し敷居が高く感じられるかもしれません。けれども、道筋を一歩ずつたどっていけば、必ず手応えや成果が見えてきます。とりわけ、新しい知見が垣間見えた(かもしれないと感じた?)ときの喜びは格別です。

まずは、オープンキャンパスや説明会で研究の話を聞き、興味が湧いたら、研究室に足を運んでみてください。きっと、あなたの関心に合うテーマや、真摯に向き合ってくれる先生方に出会えるはずです。皆さんと慈恵でお会いし、研究の面白さについて語り合える日を楽しみにしています。

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嗅内皮質を含む脳の切片を免疫染色し、蛍光顕微鏡で撮影した画像