慈恵の伝統を受け継ぎ、よりよい学びと学生生活を創る学生会
昨年度の医学科学生会長を務めておりました、医学科4年の糸井と申します。この記事では、東京慈恵会医科大学の「学生会」について紹介したいと思います。学生会とは、学生による自治を担う組織で、高校でいう「生徒会」にあたります。各学年およそ10名で構成され、教育面・学生生活の両面から大学をより良くすることを目指して活動しています。「大学生にもなって生徒会?」と思う方もいるかもしれませんが、私は学生会こそが慈恵の良さを象徴する組織だと感じています。それは、学生の意見を大切にしてくれる風土がしっかり根付いているからです。
学生会の活動の中心となるのが、年に2回行われる「学生教学検討会議」です。ここでは、教学委員会の先生方約15名に加え、学生会、学事課の職員の方々、そして慈恵の学生教育を支援してくださる一般の方々で構成される「あけぼの会」の皆さまとともに、カリキュラムや教育内容、授業の進め方などについて活発に意見交換が行われます。学生会はこの会議に向けて、全学生を対象にアンケートを実施し、学生目線での課題や提案をまとめて議題として提出します。
また昨年度からは、「教学委員会」そのものへの学生参加も始まり、教育のより深い部分に学生の意見が反映されるようになりました。先生方はいつも真摯に意見を聞いてくださり、「学生の立場からどう感じるか」を重視してくださいます。こうした仕組みがあるのは、学生の声を教育に反映しようとする慈恵ならではの文化であり、自由で風通しの良い校風を支える大きな要素です。
一方で、学生会は学業面だけでなく、学生生活を支える役割も担っています。その代表が、毎年4月に行われる「新勧(しんかん)」です。慈恵では「新歓」ではなくあえて「新勧」という漢字を使い、「新入生勧誘」を意味します。部活動は慈恵の学生生活においてとても大切な存在で、仲間とのつながりはもちろん、OBの先生方との交流を通じて人間的にも成長できる貴重な場です。学生会は、この新勧期間中の全体調整や企画運営を担い、食事会や説明会、トークイベントなどが円滑に進むようサポートしています。
さらに、毎年4月の新勧期間の締めくくりとして「新入生歓迎会」を東京プリンスホテルで開催しています。新入生を上級生一同で温かく迎える伝統行事で、上級生との交流のきっかけにもなります。1年生全員による自己紹介では毎年大いに盛り上がり、慈恵らしいアットホームな雰囲気に包まれます。これらの行事はすべて学生会が主体となって企画・運営しており、代々受け継がれてきた慈恵の伝統でもあります。このように、学生会は「学び」と「学生生活」の両面から慈恵を支えています。先生方や職員の方々の協力のもと、学生の意見を形にしていくことにやりがいを感じています。私自身、昨年度は学生会長として活動しましたが、学生と大学が互いに尊重し合いながらより良い環境を築いていく慈恵の風土を、心から誇りに思っています。