夢を追い続ける勇気 ― 再受験という回り道の先に広がる未来

私が再受験を志した理由をお伝えするために、少し過去のお話をさせてください。高校生の頃、私が夢中になった科目は物理でした。きっかけは、当時の物理の先生です。離島の高校という環境、そして2000年初頭という時代には珍しく、いわゆる"微積物理"を教えてくださる方でした。特に印象に残っているのは、電気回路の授業です。コンデンサーに蓄えられる電気量の時間変化を微分方程式で導き出し、指数関数でその収束過程を説明してくださいました。公式を覚えるだけでなく、数学を通して「なぜそうなるのか」「どう変化していくのか」を理解できることに感動し、物理学をもっと深く学びたいと思うようになりました。そして大学で物理を専攻し、修士号を取得しました。しかし博士課程への進学を前に、金銭的な理由から一度就職する道を選びました。その後、金融業界で約15年間働く中で、職場におけるメンタルケアの重要性や、うつ病が社会に及ぼす影響に強く関心を抱くようになりました。その思いから、社会人として働きながら「日本人勤労者におけるうつ症状」について研究を行い、医学博士号を取得しました。ところが研究を続けるほどに、幅広い医学的知識や臨床経験の必要性を痛感し、医学部再受験を決意しました。

さて、多くの方が一番知りたいであろう受験勉強についてお話します。社会人であり、家族もいたため、時間的にも金銭的にも無駄のない方法を考えました。まずはSNSやYouTubeから最新の受験情報を集め、効率的な勉強法を探りました。その中で学んだのは、効率を追い求める考えと一見矛盾するようですが、「プライドを捨てて地道に基礎からやり直す」ことの大切さです。基本的な問題集に立ち戻り、反復しながら少しずつレベルを上げていきました。問題を解く際には、〇(解けた)、×(解けなかった)、△(たまたま正解した)と印をつけ、できるようになるまで繰り返しました。中には10回以上解き直した問題もあります。科目の進め方としては、まず英語と数学を入門から基礎までしっかり固め、その後に理科(物理・化学)に取り組む方法が良いと感じました。参考までに、私が使った問題集は下記の通りです(記憶に残っている範囲ですが)。それらを終えた後、11月ごろから志望校の過去問を10年分程度、2回ずつ解いて本番に臨みました。

最後に、受験を通じて改めて感じたことをお伝えしたいと思います。それは「夢をあきらめないこと」と「地道に努力を積み重ねること」の大切さです。遠回りに見えても、歩みを止めなければ必ず道は開けます。これから挑戦する皆さんも、効率ばかりを追い求めて焦らず、自分の可能性を信じて着実に進んでください。現在、私は医学部で学びながら、10代の若い仲間たちと部活動やご飯会などを通じて世代を超えて楽しく交流できていることをとても嬉しく思っています。また、再受験という立場の私を温かく見守り、支えてくださる先生方の存在にも心から感謝しています。この恵まれた環境の中で学べること自体が大きな希望であり、これからも仲間や先生方と共に歩み続けていきたいと考えています。

 

<入門参考書>

数学:『10日あればいい!大学入試短期集中ゼミ』

英語:『必携英単語LEAP』、『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』と『同書の実践演習編』

物理:『物理のエッセンス』

化学:『早わかり一問一答』、『らくらくマスター化学』

<基礎参考書>

数学:『合格る計算』、『総合的研究数学』、『合格実力UP問題集』

英語:『The Rules英語長文1、2』『英文和訳演習(入門編、基礎編)』、『英文法大全』、『英文法ポラリス1、2』英語長文は解いた後には音読を10回ずつしました。

物理:『体系物理』

化学:『化学重要問題集』<応用参考書>数学:『新数学演習』、『微積分/基礎の極意』、『数学ショートプログラム』、『うまい解法』『合格る確率』、 『ハイレベル数学の完全攻略』、『数学の発想力が面白いほど身につく本』

英語:『英単語SPARTA3』、『読解のための上級英文法』、『英文法ポラリス(レベル3)』、『英語構文詳解』、『英文解釈Code70』、『新基本英文700選』、『英文解釈ポラリス2』、『英文和訳演習(中級編、上級編)』、『英文和訳の着眼点』、『The Rules英語長文(3、4)』、『最難関大 英語長文 読解の原点』、『英作文プラチナルール』、『英作文ポラリス(自由英作文編)』、『減点されない英作文』

物理:『難問題の系統とその解き方』、『理系上級問題集』、『物理解法研究』

化学:『化学の新演習』、『化学の新体系問題集(発展編)』、『構造決定問題の要点・演習』