探究する心 ―学業・音楽・鉱物採集・駅員を通して見えた世界―

【はじめに】こんにちは。医学科2年の小林泰久です。医学生の生活と聞くと、皆さんはどんな光景を思い浮かべるでしょうか?教科書に向かって机にかじりつく毎日、試験や実習に追われる生活――そんなイメージが強いかもしれません。しかしながら、慈恵医大で過ごす私の毎日は、勉強だけでなく、音楽や鉱物採集、そして駅員のアルバイトまで、多彩な経験にあふれています。

 

先ず、軽く自己紹介をしておきますね。

名前:小林泰久

学年:医学科2年(2024年度入学)

部活:音楽部管弦楽団

アルバイト:駅員

趣味:鉱物採集・ヴァイオリン演奏

出身高校と所属部活:駒場東邦高等学校・地学部

今回は、学業と"好き"を両立させながら過ごす私の医学生としての生活をご紹介します。受験生の皆さんや保護者の方が、医学生の日常を少しでも具体的にイメージする手助けになれば幸いです。先ず、軽く自己紹介をしておきますね。部活:音楽部管弦楽団アルバイト:駅員趣味:鉱物採集・ヴァイオリン演奏出身高校と所属部活:駒場東邦高等学校・地学部【学業】学生にとって学業は当然最優先されるべきことであります。部活・趣味・バイトなどの兼ね合いで必ずしもフルパフォーマンスが出せない時があることは当然であるものの、一定限度を超えて疎かになってはなりません。医学科で学ぶ内容は2年次だけをとってみてもかなり多いといって差し支えないでしょう。慈恵医大の授業は主に、講義・演習・実習の三つに分けられますが、私は特に演習・実習を大切にしています。一緒に学ぶ仲間たちとディスカッションしながら、分野・単元を横断して学ぶことが出来るので、非常に理解が深まります。演習・実習中は細かいところまでよく物事を観察し、小さな気づきを大切にして、頭の中で散らばっている知識の断片を繋ぎ合わせるように心がけると非常に楽しいものになります。断片的な知識が、統合された知見へと昇華する瞬間の歓びは、なんとも言い表せぬものがあります。なにごとも楽しむのが一番ですね!

 

二年前期 生理学の実習の様子 

 
 

一年前期 生命基礎科学実習の様子 

 

【部活】部活は音楽部管弦楽団に所属しており、ヴァイオリンを演奏しています。部活は火・金の週二回で、それぞれ18:00-21:00です。とはいえ、家でも練習しないといけませんから週5-6日程度はヴァイオリンを演奏していることになりますね。また、2.5歳の頃からヴァイオリンを習っており、今もレッスンに通っていますから、部活の曲だけではなくレッスンで扱っている曲も練習しています。今はレッスンではメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を弾いています。私にとって、ヴァイオリンの演奏は、言語であり、大切な自己表現の手段であるとともに、自己の音楽表現への飽くなき探求でもあります。オーケストラではみんなで演奏しますが、レッスンで取り扱っている曲は基本的に協奏曲やソナタといったようなソロ曲です。私は"自己表現"としての音楽性を磨くために、自分が習っている教室のレッスンを大切にしています。ヴァイオリンは私にとって、なくてはならないものであり、音楽を通して自己の内面に向き合うことは良いストレス解消にもなります。入試の日も朝弾いてから会場に向かいました。

【趣味】私は中高で地学部に所属しており、その時以来、鉱物採集にも力を入れています。関東近郊を中心に日本の色々な場所に赴き、ロックハンマーなどを使って鉱物を採集します。鉱物採集の面白さを一言で表すならば、「天然自然の造化の妙」とでも言い表すことが出来るでしょう。地球という巨大な塊のなかで、元素同士が奇跡的に出会い、極めてきわどい条件下で結晶化して生み出されたものが鉱物であり、これが時として息を吞むような美しさを呈するのです。このような天然の生み出した美しき結晶を、自然の中から見つけ出し、標本としての手元に置けることは、私にとってこの上の無い幸せなのであります。写真はいずれも私が採集した標本で、左上から順に、亜鉛スピネル(埼玉県秩父市)、毛鉱(埼玉県秩父市)、自然金(埼玉県秩父市)、輝水鉛鉱(栃木県鹿沼市)、水晶(茨城県城里町)、水晶(山梨県甲州市)です。

また、今、私は鉱物鑑定士になることを目指して勉強しています。まだ道のりは長いですが、医学の勉強と並行して頑張りたいと思います。鉱物採集の楽しみは採集することのみならず、観察することも含まれます。鉱物のなかには、顕微鏡で見ることで初めて微細な構造が見て取れるようなものや、紫外線で蛍光するものがあります。写真左上は、採集の様子です。(この写真では千葉県でサンゴの化石を採集しています)

写真右上は観察時に使うもので、長波紫外線LED、短波紫外線管、デジタル顕微鏡、解剖顕微鏡、光学顕微鏡、顕微鏡モード搭載デジタルカメラです。写真には写っていませんが、鉱物観察用のルーペはもちろんのこと、他にもさまざまな道具を使います。写真二段目は短波紫外線で蛍光する鉱物(京都府で採集した灰重石)、写真三段目は長波紫外線で蛍光する鉱物(茨城県で採集した蛍石)です。いずれも比較的単純な化学組成をしていますが、紫外線により蛍光を呈するのはとても面白く、また、美しいですね!【バイト】私は、神奈川南西部と東京とを結ぶとある私鉄で、駅員のバイトをしています。きっかけは相模原市のオーケストラで演奏した際に、後ろで演奏をしていた方がその鉄道会社の社員の方で、その方を通してこのバイトに興味を持ちました。お仕事の内容は曜日や時間帯によって多少の違いはありますが、ホーム上でするお仕事と、改札でするお仕事に大きく分けられます。ホーム上では、列車が安全に発車できるように合図を出したり、ラッシュ対応をしたり、車椅子などのお客さまのご案内をしたりします。改札では主に乗車券の精算やお客さまのご案内などをします。とてもやりがいがあるお仕事です。最近は海外からのお客さまも多いので、英語を実践的に使う勉強にもなります笑。医学生はどうしても演習・実習・試験などが多く、固定シフトでは働きにくいものですが、シフトもかなり融通が利くので、ストレスなくお仕事をできています。勤務のシフトは様々ですが、私は特に、朝のラッシュ時間帯に勤務することが多いです。朝早く起きて、朝の風に吹かれながら、沢山のお客さまを乗せた列車を安全に送り出す、その何気ない日常を支えられることは、他に変えることが出来ぬ歓びがあります。

【終わりに】最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。音楽や鉱物採集、バイトなど、それぞれの経験は一見別々のことのようでも、振り返ってみるとすべてが学びや成長につながっていることに気づきます。生き方は人それぞれ、人生いろいろ、100人居れば、100通りの生き方があるものです。受験生の皆さんには、どうか「学びたいこと」「やりたいこと」を大切にしながら、自分らしい医学生生活を思い描いてほしいと思います。本学でお会いできることを楽しみにしています!