国領キャンパスで培う教養

入学して1年目は、緑豊かな国領キャンパスで、自然科学、人文・社会科学、外国語などを学びます。学祖・高木兼寛先生の教えである「病気を診ずして病人を診よ」を体現するためには、患者さんの様々な価値観に配慮し受け入れることを可能とする教養を身につけることが大切だと考えています。ユニット「人文科学」では、哲学、欧米文学、日本史、倫理学などから1科目を選択し、人間の心の営みやそこから生まれた文化を学びます。私は興味・関心のある西欧史を受講しました。時間的にも空間的に異なるところで起きた数々の出来事を知ること自体を楽しみつつ、歴史を通じて、ヨーロッパの文化的・社会的特徴がどのように生まれたのか勉強することができました。

まずは、西欧史上の特徴的な出来事やそれにまつわる背景などについて先生から講義を受け、感じたことや気になった点を学生間で共有していきました。人権の変化、黒死病、アンシャン=レジーム、大航海時代などがトピックとして扱われました。全く同じ内容を聞いても、着眼点や捉え方が様々だったことに毎回刺激を受けていました。夏休み以降は、小グループに分かれ、ヨーロッパの歴史を探究しました。私は、マリー=アントワネットやエリザベート、ジョゼフィーヌなどの西欧史を華やかなものとした生き様に惹かれ、同様の関心を持つメンバーと、話し合いを通じてテーマを決めました。最終的に、「王族の婚姻関係から読み解く西欧史―ハプスブルク家とブルボン家を中心に」というテーマで調査し、グループディスカッションを重ね、レポートにまとめました。国領キャンパスには、人文科学の数多くの書籍があるため、有意義な研究をすることができました。また、グループで活動したことにより、自分では気づかなかったことを周りの人が教えてくれ、深い洞察が可能となりました。歴史的事象は偶発的なものではなく、人と人との関わりの中で争いが生まれたり変化が起こったりするのだということを再認識できたことに大きな意味があったと感じています。

2年生になり、西新橋キャンパスでの基礎医学の学習が始まっても、古今東西の人々の多様な考え方に触れることは、病気で苦しむ患者さんに寄り添うことのできる医師になる上でとても大切だと考え、できる限りそのような学びの時間を取るよう心がけています。国領校での経験は今後、自らの感性を磨いていくにはどうすればよいか考えるための道しるべとなっているのではないかと思います。