《香山桃子》受験期の経験

この度は、「慈恵生の声」を書かせていただけることになり、大変うれしく思います。私の経験が少しでも読んで下さる皆様のお力になれれば幸いです。今回私は、センター試験失敗後の勉強と、精神面について書きたいと思います。私は国公立医学部を第一志望としていたので、センター試験で点数を取ることを大切にしていました。しかし、結果は80%。センター試験直後は絶望しました。自分は今まで何をしてきたのか、センター試験がこれしかとれなかったら国公立どころか私大も受からない。私大の対策をしなければならないのに全然集中できませんでした。

私の何がいけなかったのか。周りの人と同じ授業を受けて同じくらい勉強をしてきたつもりだったのに...。自分を責める言葉がぐるぐる頭の中で繰り返され、全く前に進めなかった私の気持ちを前向きにしてくれたのは父でした。普段は学校の成績や模試の成績を見ても否定的な事しか言わず、私が家で休憩してたら小言を言う口うるさい父なのですが、センター試験直後は今考えるとすごく的確なアドバイスをしてくれて、それが精神的にも支えになっていました。まず、国公立で二次逆転の可能性のある場所を調べてくれました。去年のデータで、合格者の最低センター得点率を片っ端から調べてくれました。この大学で、二次試験の点数をこれくらい取れれば合格するというところまで助言をしてくれました。このように周りのサポートを受けて、こんなに応援してくれる人がいるのなら最後まで頑張ってみようと思うようになり、前向きに勉強をする努力ができました。

私はセンター直後から、試験勉強に対する向き合い方を変えたので、それを二つご紹介したいと思います。

一つ目は、過去問対策です。過去問を解く際、センター試験前までの私は問題を時間通りに解いて丸付け、解き直し、類題を解くということしかしていませんでした。しかし、試験対策の上で大切なのは本番をイメージすることだと気づきました。具体的には、大問ごとの大まかな時間配分と、どのくらい解ければよいのかを把握することです。私大の医学部の問題は、学校によって多少違いましたが6割程度取ることを目標にして練習し、本番に臨みました。

二つ目は、最悪の状況を想定して、その対処法をメモ帳に書くことです。例えば、「英語が途中で頭に入ってこなくなったら次の大問からやる」「隣の人の書く音がうるさくて集中できない→30秒テストを解くのをやめる」「友達に会ったら(これは最悪の状況ではないです)→普通に挨拶するだけにする」「一時間目の理科が全然できなかったら→...」といったようなことです。中には解決になってないものもありますが、前もって自分が動揺しそうな状況を想定しておくことで、試験の時にとても安心します。試験中に予想外のことが起こっても冷静に対処できます。私は私大の試験期間にもメモに起こりうる状況を追加していき、試験日には必ず電車で一読していました。そのおかげで、国立の試験日にはもう怖いものはないという状態になっていて、それだけで自信になりました。試験で緊張してしまう人や、実力が出せないことで悩んでいる人にぜひ試していただきたいです。

今回はセンター試験後の経験について書かせていただきました。私は、受験勉強を通して、どんなに先が見えなくても努力し続けることの大切さを学びました。あきらめずに努力をし続ければ、その先に自分の予測できない未来が待っています。皆さんの検討をお祈りいたします。

(医学科1年 香山桃子)