僕の受験期のお話

(写真:慈恵医大バレー部。後ろの列の左から2番目が僕です)

はじめに、私のバックグラウンドについて少し説明をします。私は、小さい頃に10年ほど海外で生活をし、その後日本に帰国し、都内の小学校、中高一貫校へと進学しました。そのため英語は得意な方で、受験期に英語に勉強時間を割くことはあまりありませんでした。ただ、その代わりといったら変ですが、理科科目(物理と化学)が非常に苦手で、受験期はこの二科目に本当に悩まされました。予備校は高2の秋頃から駿台市ヶ谷校に通い、紆余曲折ありながらも慈恵に現役合格することができました。 これらを踏まえて、私の受験期の経験を話していきたいと思います。

私が医学部受験を考え始めたのは、高校1年の夏頃でした。とはいっても、本格的に受験勉強をし始めたのは高2の冬頃からです。それまでは学校の勉強を最低限こなしていた程度でした。ただ、今振り返ってみると、受験勉強を始めるまでにある程度の基礎を固めておいたことが後々功を奏したように思います(特に数学)。受験期の間も、学校の勉強はしっかりとやるべきです。受験では予備校の勉強が最優先、学校の勉強は二の次、といったスタンスでいる人がときどきいますが、これはあまりおすすめしません。特に文系科目については共テ直前まではわざわざ自分で時間を割いて勉強する時間はないので、学校で勉強する時間を大切にしてください。

さて、ここから本格的に受験期の話をしていきます。高2の頃に受けていた模試では、数学と英語だけということもあり、かなりの好成績をとれていたため、本格的に医学部受験が視野に入ってきていました。ただ、そう順風満帆にことが進むはずもなく、高3の初めに受けた模試で現実を突きつけられました。それまでよかった模試の成績も、理科が入ってきたことによって劇的に落ちてしまい、相当なショックを受けました。それまで特に苦手意識があったわけではなかったので、なおさらでした。この経験は、今思えばそれまで少し慢心気味だった自分を現実に引き戻してくれたため、ある意味良かったと思っていますが、もちろん当時はそう思うはずもなく、相当焦っていました。そういう心情のまま気づいたら夏休みに入りかかっていました。

このままではまずいと思い、夏休みを使って全力で物化の基礎固めをしました。先述したように数学や英語はすでに基礎は固まっていたので、この時期を理科にほぼ全振りできました。これがかなり大きかったと思います。物化の重問を完璧に解けるようになるまで繰り返し解き、その後は駿台のテキストを使ってひたすら演習を行いました。夏休み頃にまでなると自分に合った勉強メソッドが確立し始めるので、それまでにいろいろ試行錯誤してみるのも良いと思います。例えば私の場合だと、参考書は一本に絞って、それを完璧にこなせるようになるまで繰り返し解く、というやり方が自分には合っていたように感じますが、これも人によります。自分にあったやり方を模索してみてください。  

夏が終わると、あとはひたすら過去問を解きました。過去問を解いていても最初はあまり手ごたえを感じられずに心配になると思いますが、実際そんなもんです。夏休み頑張って勉強すれば、そのうち必ずその分の結果が返ってきます。私の場合だと10~11月頃にその成果が表れてきました。といっても劇的に成績が伸びたというわけではなく、少しずつ手ごたえを感じ始めた程度です。過去問演習を重ね、不安なところは基本に戻る、という作業をひたすら行い続けることで、最終的に無事慈恵に合格をすることができました。

まだまだ書ききれないことはたくさんありますが、字数の都合で最後にこの2点だけ書いておきます。まず、必ず計画性をもって勉強をしましょう。受験期は長いように思えても、がむしゃらに勉強だけしていると気づいたら本番当日です。特に夏休みはあっという間に終わってしまいます。自分には何が必要か、そしてそれを達成するにはどの問題集をいつまでにこなしてればいいか、などとしっかり自己分析をして一年間の計画を立ててください。最後に、受験当日は自信をもって挑んでください。自信は、しっかりと勉強をし、自分ができる限りのことをやったと感じることで生まれてくるものです。ぜひ悔いの残らないように、最後まであきらめずに頑張ってください。応援しています!

(医学科1年 王子いづる)※2023年1月掲載