《内藤礼》受験体験記

私が本当の意味で東京慈恵会医科大学と出会ったのは高三の夏にオープンキャンパスに行った時でした。オープンキャンパスで学長先生のお話や、先輩のお話を聞いた中で、とても良い大学だと感じたのを覚えています。なぜそう感じたのかというと、学長先生のお話の中で、建学の精神「病気を診ずして病人を診よ」がどういうことなのかという詳しい説明や、アドミッションポリシーの詳しい理由と説明があったほか、1年次に教養科目を学ぶのは良き医療者である前に良き社会人となれるようにするためであり、多様な背景を持つ患者さんに共感できるようにするためだという説明があったからです。このように、全てについてその理由などの詳しい説明がされると、目的意識を持ちやすいと思いました。また、先輩の話を聞いて、授業で出欠を取らないなど、学生の自主性に任せられていると感じ、自分が学びたいことを自分で学ぶ力がつくのではないかと感じました。

このように慈恵に出会った私ですが、受験勉強は決して楽なものではありませんでした。私は数学があまり得意でなかったので、数学に多くの時間を割きました。ただ、数学を得意教科にするのは難しいと思ったので、数学については足を引っ張らないようにすることに集中しました。具体的には、難易度の高い問題は解けなくても、みんなが解けそうな問題で点数を落とさないように、基本的な問題の対策を重点的に行いました。結果として、実際の入試でもおそらく数学の点数が一番低かったと思いますが、最終的に入学できたので、結果的にこの勉強法はありなのではないかと個人的には思っています。

晴れて慈恵会医科大学に入学した私は良い先生方と友人に恵まれました。今年は新型コロナウイルスの影響により、オンライン授業が取り入れられました。オンライン授業は初めて受ける授業の形式でしたが先生方が様々に工夫してくださり、積極的に授業を受けることができました。また、課題を提出すると多くの先生がフィードバックを下さり、学習のモチベーションにもつながりました。良い友人にも恵まれました。日常の他愛無い会話が楽しいことはもちろん、勉強するときも大切な存在です。具体的には、分からない部分があるとお互いに聞き合うことができるほか、中にはオンラインで勉強会を開いてくれる友人もいます。このように積極的に授業を受けられ、友人と一緒に勉強しているという意識を持ちながら学べるというのは素晴らしい環境だと思います。

そして受験勉強の中で見つけた自分の勉強法は今、大学で勉強しているときも役に立っており、将来、医師として生涯勉強を続ける中でも大きな財産になるだろうと感じています。受験勉強は大変なこともありますが、皆さんが受験を乗り越え、本学で共に学べる日が来ることを楽しみにしています。

(医学科1年 内藤礼)