《新井慧美》焦らず、自分に必要な勉強を

私は高校二年生の秋ごろに医学部を志望することに決めました。父が医師であったこともあり、幼いころから医師という職業に興味がありましたが、漠然とした憧れしか持っていませんでした。進路を決めるとき、本当に医師になりたいのかどうか悩み、様々な職業について調べて考え抜いた結果医学部を目指すことにしました。高校二年の秋ごろの模試で志望校を記入するにあたり、医学部のある大学について調べ始め、立地が良いこと、歴史のある大学であること、レベルが高いことなどに魅力を感じ、本学を受験することに決めました。

次に、受験勉強についてです。私は、高校三年の春まで部活に打ち込んでいました。皆さんも塾に通っていると、職員の方などから、高校二年生の秋からが勝負だといわれることがあると思います。私は、この言葉を聞きながらも、まだ間に合うだろうと楽観的に考え、部活動を言い訳に勉強をおろそかにしてしまっていました。高校二年生のとき、英語は得意でよく勉強していたのですが、数学は苦手意識があったため、気持ちが進まず、あまり勉強していませんでした。私の高校は受験に熱心な学校ではなかったため、授業の進度が遅かったこともあり、高校三年生の四月時点で、数ⅲ、理科科目(化学・生物)はほとんど手を付けていない状態でした。五月に部活を引退し、そこから真剣に受験勉強を始めたのですが、はじめのころの模試では、勉強量があまりにも足りず、まったくといっていいほど点が取れませんでした。それでも、焦っていきなり難しい問題を解こうとはせずに、苦手な科目ほど自分のレベルに合わせて基礎からしっかり固めていき、積み重ねていくことで学力を上げました。そうはいっても、スタートが遅かったので、すべての範囲を勉強し終えたのは、数学は9月の中頃、化学・生物については10月の終わりごろでした。秋ごろの模試まで成績が伸びず、合格が見えない状態で、医学部をやめようかと思うこともありました。当時は、気持ちの切り替えに時間がかかってしまいましたが、今思うと、悩んでいる時間があれば、少しでも勉強を進めるべきだったと思います。これから受験される皆さんも、自分の成績が伸びなかったり、不安になったりすることがあると思いますが、つねに目標を見失わず、自分のすべきことは何か、焦らずに考えてみてほしいと思います。受験は長期戦なので、気持ちのコントロールは重要な要素になってくるはずです。最後まであきらめずに頑張ってください。

受験勉強は長く、つらいとは思いますが、ここまで真剣に自分と向き合える機会はなかなかないと思います。今は大変かもしれませんが、頑張った経験は必ず自信になります。ぜひ、慈恵に入って、一緒に医師を目指しましょう。

(医学科1年 新井慧美)