大学生で新しいことたくさんしたい人へ
学業・学校生活・アルバイトの両立について、「1年生の内は勉強は最低限で、多くの課外活動をしたい」という人向けに、参考になればと思って書きます。いわば、この文章は、「勉強面では1年生の前期後期の試験2回のうち後期の1教科(物理)に落ち、プライベート面では試験1週間前以外は毎日予定を詰めて課外活動をしていた」人の、1年間を綴るものになります。メニューは、「勉強をどの時期にどれくらいどのように行っていたか」と「私が行っていた課外活動はどんなだったか」です。また、以下で述べるような生活ができたのは、ひとえに慈恵の良い意味でのラクさ(授業の出席を取らない、試験がさほど難しくない)があってこそです。この環境に感謝して、好きな課外活動を好きなだけ楽しんでください!
まず、「勉強をどの時期にどれくらいどのように行っていたか」です。私は課外活動を多く行いたかったため、試験は追試なしでいきたい、という心意気で勉強していました。大事なのは「情報」です。先輩から試験の乗り越え方を入学当初から聞いておきます。そうして「強弱をつけて」勉強していきます。たとえば、入学時に得られた情報をもとに、リアクションペーパーが決め手になる授業では毎回出すようにして(それ以外の授業のリアクションペーパーは要するに弱です(暗喩))、試験2週間ほど前からは過去問や資料集めに力をいれます(授業を1から理解しようとすることは弱です)。この教科別、また、教科の中でも試験に出やすい分野と試験に出にくい分野別に強弱をつけることで、なるべく効率よく試験に合格するようにしていました。具体的なことは先輩に聞きましょう。優しく丁寧に教えてくれます。
つぎに、「私が行っていた課外活動はどんなだったか」です。以下に1年生で私が行ったことを(★=特にオススメのもの)とともに時系列で羅列します。番号を振りますので、興味がわいたものから読んでいただけたらと思います。一部、だいぶ熱が入ってしまってお見苦しいかもですが、どんな世界でどれくらいのコミット具合でどれだけのものが得られたのかを主に書いています。これを読んで、あなたが同じような世界を覗いてみようって思ったときの参考になればと思います。
①学生団体 宇宙医学コミュニティ
ここに入ったきっかけから話します。大学合格後、特有の意識高い時期に、T大のサークルを探していました。そのわけは、幅広い人脈といい環境が欲しかったからです。そんな中で、東大のサークル新歓に行き、事前に高校の先輩にここいいよと聞いていた○izjapanの説明会に参加しました。あいにく○izjapanの面接は落ちてしまいましたが、その説明会でI橋さんという東大医学科の方から宇宙医学の存在を知り、その未開拓の可能性に魅かれ、コミュニティにその場で入りました。宇宙医学コミュニティでは、医療系学生団体○nochiとコラボして高校生向けハッカソンの開催運営をしたり(8月に2日間活動)、宇宙医学への入口となる映画会開催(5-3月に月1、2年の4,5月に毎週)をしていました。私がここに所属してよかったことは、いろんな面白い人と仲良くなれたことです。I橋さんは国際宇宙会議で壇上に立ったこともある、常に新しい挑戦をしている方で、そのほかにも宇宙トイレをバイトでつくっている猫好きさんや、宇宙の建築の研究をしている多忙な暇人さんや、あらゆるロケットに詳しい工学部くん、宇宙飛行士を目指していてけん玉を何十個ももっている京大医学部生とも仲良くなれました。
②T大国際系サークル(★)
ここに入ったのは、私のなかで、圧倒的で感動的な理想的超えて完璧な選択でした。入ったきっかけは、①と同様にT大新歓に行ったことです。T大国際系サークルでは、8月に11日間フィリピンに行き、現地の子供達に口腔衛生の大切さを教え、遊びの選択肢を広げるための運動会開催をしました。(8月前は会議3回程度、9-12月は毎週)私がここに所属してよかったことは、なにより最高の友達(同期のT大9人と慈恵2人)ができたことです。11日間一緒にフィリピンで過ごした仲は、夜通しでそれぞれの価値観(功利主義など)や結婚観、自分たちの将来、各国の歴史を踏まえつつ日本の将来について語り合ったことで、かけがえのないものになりました。特に、慈恵では接することのない文系の人のその博識さに圧倒されます。また、同期のなかの3人で起業していたりと、一緒にいて自分の刺激になります。そんな尊敬できる人と時にバカ騒ぎして時に真面目な話ができるのがとても幸せです。
③スキー部
スキーは全くの初心者ですが、部活の雰囲気が好きで入りました。活動は夏は週2、冬は1ヶ月ほど合宿にいきました。私がここに所属してよかったことは、慈恵内でのfamilyがもてたことです。合宿では長い時間をともにして、先輩後輩間でもお互いの悩みを話したり、全て雪のせいにしてはっちゃけたりします。試験前もさきほど話した「情報」をみんなで共有でき、お互い質問しあってはすぐ答えてくれたり一緒に考えてくれたりと、なくてはならない大切な存在です。
④ダンス部&ダンスインカレサークルUDM
ダンスはもともと8年やっていたので入りました。他大のインカレサークルとも迷っていたのですが、他大で数年ガッツリやるのには医学部の日程と合わないというのを踏まえ、慈恵のに入ることに決めました。活動は、冬以外は慈恵のダンス部とUDMとを合わせて平均週2.3で踊っていました。私がここに所属してよかったことは、UDMで他大の歯薬看の人と話せたりダンスがめちゃめちゃ上手い人と同じ舞台に立てたことです。ほかには、コロナでなくなっちゃったのですが、夏のイベントで慈恵の歴代の先輩方のように役職もったり舞台つくったりできたら充実した体験ができたろうなと思います。
⑤家庭教師
高校の同期の弟くん(当時高校3年生)を直接紹介で、5-2月に毎週日曜日6時間化学を教えていました。私がこの家庭教師をしてよかったことは、まず金銭的な安定が得られることと、自分の勉強へのやる気も得られることです。前者については言うまでもなく、後者については生徒の嫌いな勉強を将来のためにと自分が工夫してやらせているうちに、自分の状況と重なってきて、自分も同じように勉強しなきゃ合わせる顔がないなと思うようになれるということです。
⑥学生会・文化祭実行委員・ワーキンググループ・慈恵ぬいぐるみ部
学生会は1年生の間はほとんど活動はありませんでした。文化祭実行委員は文化祭当日に数時間仕事をしたくらいでした。ワーキンググループは、慈恵のカリキュラムや授業について評価する会議に出たり、アンケートでのみんなの声をまとめて教学委員会用の資料をつくり同委員会に出席したりしました。大きく分けて年に2回ですが、それぞれ資料づくりなどで3日間ほど要します。教学委員会ってすごそうな名前の会議に出席できるのは面白い経験だと思います。慈恵ぬいぐるみ部では、保育園に行き、ゲームや劇やごっこ遊びなどを通して子供たちに病院へいくことの大切さを伝える活動をします。私は1回だけしかいけませんでしたが、子供たちと楽しく遊び、若返ることができました。
⑦医療ベンチャーインターン(★)
ここに入ったきっかけは、他大の友達が主催した、救急車のたらいまわしについての勉強会に参加したことでした。実はそれが○クターズプライムという医療系ベンチャー企業の人材獲得も兼ねていて、その勉強会終了後そのまま面接日程を決めて、後に入りました。ここはインターン生の割合が高かったために、相当に責任のある仕事も任せてもらえる希少な企業でした。10-12月に週2で週計15時間、1-2月に週4くらいで週計30時間ほど、3月はお休みをして、2年では4-5月に週4で週計20時間、6-9月で週2で週計10時間ほど働きました。最初の5ヶ月は営業(知らない病院の事務長さんと話す)を、次の2ヶ月は顧客対応(知ってる病院の事務長さんと話す)を、次の3ヶ月はよりよい組織づくり(勉強会開催等)をしていました。私がここに所属してよかったことは、病院以外の社会とはなんたるかを知ることができたこと、またとても尊敬する上司のそばで営業や組織の作り方について学べたことです。営業の上手い上司は人の気持ちを考える能力が高く、人の懐に一瞬で入る術を勉強していることに気がつきます。それは、医者も身に付けられればよりよい医療を提供できるものです。また、多くの人の上に立っている上司は部下がミスをしても一切怒らず「システムで変えよう」という姿勢(人間はミスをするものだからミスが起きないシステムをつくろう)をもっていました。これは、部下にとっては心理的安全性が確保されて、いい組織ができるため、医療現場にもあったらいいなと思った考え方でした。他にはすごくお互いを褒め称える文化がありました。ちょっと成果が出せたときなんかには「神」スタンプが押してもらえます。最初は抵抗があったものの、押してもらえると本当にうれしいもので、大好きな文化でした。他のインターン生との交流もあり、すごく気の合うK応医学部の同期と出会えたり、多くの大学生の就職事情などを聞けたりもしました。
終わりに。重要なのでもう一度言いますが、ここまでたくさんできたのはひとえに慈恵の学生であるからです。他の大学の医学科の同期はいつも大変そうにしています。さらに、1年生のうちは教養ですし、時間も他の学年に比べて勉強以外にたっぷりと使える貴重な時期です。大学生になって色々やってみたいあなたへ、慈恵で、勉強とのうまい向き合い方を見つけて、やりたいことをたくさんやる一年にしてはいかがでしょうか!!
(医学科2年 M.C.)