保護者としての6年間を振り返って

親の立場として慈恵医大がどのような学校であったかを振り返りたいと思います。

入学式にあたって保護者宛にご案内を頂くのですが、同時に保護者会から施設見学会並びに歓迎会のご案内も添えられていたことに驚くとともに大変喜ばしく感じました。医師ではない親としては、大学の保護者会の存在に戸惑うところがあったのは事実ですが、学長先生はじめ諸先生方がフレンドリーにお迎えいただける和やかな懇親会は独特の家族観を感じるものでした。

さらに年2回の保護者会及び懇親会がありますが、出席者が非常に多く会場の座席が足りなくなるほどの状況に保護者と学校、先生方の距離の近さを強く感じました。特に懇親会では同学年のご父兄とお知り合いになることができることはもとより、共通の部活に所属するご父兄とも学年を超えて情報交換ができたことは大変ありがたいことでした。大学生ともなると学校内のことや部活のことなど親にはあまり話をしなくなるものですが、先生方やご父兄との話の中でいろいろと情報を得ることもでき、安心してこどもを見守ることができました。

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新一年生の最初の大きなイベントは部活の選択だったと思います。学生自身の定めたルールに則って新入部員を勧誘し全員が一堂に会した場で入部を宣するイベントですが、これがこれから始まる学生生活や先輩や先生方との関係性を大きく左右するとの思惑により楽しみながらも大いに悩んで部活を選んでおりました。慈恵医大では部活や学生会サークルへの参加率が高いように感じています。複数の部活を兼部する学生も珍しくないようです。医学部生ならではの厳しい勉強漬けの学生生活において、部活は大きなモチベーションの一つになっていると感じています。体育会系の部活に参加した学生さんにとっては5月の京都府立医大との対抗戦が最初の大きなイベントで、夏の東医体が最大の目標となっています。OB諸先生方のご支援を頂き練習の成果を発揮する学生たちは大変眩しく映ります。学内の諸先生方との部活を通じた繋がりは、慈恵医大の一体感の源といえるのではないでしょうか。卒業後の進路の中でも、この6年間学内外で得た様々なご縁はきっと大きな支えになるものと感じております。

社会人となる手前の学生生活では、授業におけるグループや部活内での人間関係で悩むこともありますが、学校側が適切に関与して解決していく姿勢を保護者会の場でも確認でき安心感をえられました。6年間という期間だけでなく、その先も永くかかわっていくことになる同期の学生や先生方とのおつきあいを円滑にするためにありがたい配慮と感じました。

在学中の費用についてですが、公にされている学費のほかは自主的に購入する書籍や参考書、自習教材程度で、入学前はもう少し追加の費用が掛かるのではと思っていたため、私大医学部としては負担が少ない方ではないかと認識しています。部活の活動費は上級生やOBの方々から大きなご支援を頂きながら節度を持って活動しているようですが、学年が上がるにつれて若干負担が増えてくることもあり、在学中にアルバイトを考えている学生さんにとっては、勉強の時間と、部活動のバランスには注意が必要かもしれません。

皆さん難関と言われる入学試験を経て晴れて慈恵医大の一員となるわけで、大変優秀な学生さんが揃っていると感じます。さらに成績だけではなく大変一体感のある慈恵医大の同窓生となり得る資質も見極めて選ばれたと6年間お世話になる中で強く感じ、このご縁を大変喜ばしくまた誇りに思っております。

新型コロナウイルスの影響が治まり従来通りの活動が再開されることを願っております。今後に渡り、優秀かつ有望な慈恵医大同窓生となり得る学生さんが集われることを心より願うところです。

(医学科学生保護者 O様)