2年後期の基礎医科学Ⅱ「ヒトの発生」の魅力について

2年後期最大のユニットである基礎医科学Ⅱの講義には「ヒトの発生」という講義があります。この講義はその名の通り、ヒトの体がいかにして出来上がるのかについて学ぶものです。私が思うこの講義の"推しポイント"はたくさんあるのですが、今回は絞ってこのうち2点挙げようと思います。

まず、「ヒトの発生」の魅力のひとつとして、ひとつの講義でヒトの体の全部について学べるという点です。基礎医科学Ⅱのユニットには全部で11種類の講義があり、「ヒトの発生」の講義のほか、呼吸器・循環器・消化器・神経など主に各臓器について学ぶ講義で構成されています。ここで挙げた講義では、例えば呼吸器ならば肺を中心に、循環器ならば心臓や血管を中心に、というように各臓器に特化して学んでいくのに対し、「ヒトの発生」は受精から始まり、各臓器がどの順番でどのように変形して、どのような状態でヒトは誕生してくるのかという一連の流れを学んでいきます。そのため、各臓器がどのように働いているのかを各講義で学ぶのと同時進行で、それぞれの臓器がどうやって発生しているのかを「ヒトの発生」で総括的に順を追って学ぶことができます。

また、「ヒトの発生」では最新の研究の内容について聞く機会が多いことも特徴のひとつです。特に、再生医療研究の第一人者である岡野栄之教授による最新の研究の話では、「ついこの間わかったことがあって~」などというように目新しいことを伺うことができます。研究の話を伺うと、自分が現在勉強していることがどのように将来に繋がっていくのかということも見えてきますし、特に高学年と比較すると低学年ではあまり研究の話を聞く機会が多くないので、この「ヒトの発生」ではそういった貴重な話をたくさん伺えるところが特徴だと思います。発生学というと複雑で難しい印象があったのですが、講義を受けていくにつれて非常に楽しいと感じられた上、研究に対する意識が高まりました。個人的には、再生医療の面白さに触れて興味を持ったので、研究室配属では再生医学の研究室を選択しました。

(医学科3年 藤橋明日香)