慈恵のカリキュラムの特色(学生目線)

皆さんこんにちは! 医学科5年の馬場有夢と申します。 医学部のカリキュラムって、オープンキャンパスやパンフレットでは沢山目にしていると思いますが、何が何やら難しく、結局何が特色なの?と思う方が多いかもしれません。そんなわけで今日は学生から見た慈恵のカリキュラムの特色を書きたいと思います。

① 臨床実習が充実している

慈恵では4年後期~6年前期の約2年間が臨床実習の期間で、これは全国的にも長い方だと思います。しかも長期なだけでなく、内容も充実しています。 最初の1年間は見学メインで、1週間ずつ色々な科を回りますが、2年目からは1つの科に4週間、チームの中にしっかり参加することができます(診療参加型臨床実習と言います)。毎日カルテを書くのはもちろん、忙しい先生の代わりに患者さんのお話を詳しく聞いたり、手術では助手に入らせてもらったり、時には初期研修医と同等の役割を任されることもあります。この診療参加型の実習期間が長いほど、座学だけでは得られない課題抽出力・問題解決力が養われ、自分が医療の一員となっていることが実感できますし、実際に患者さんとのコミュニケーションをとることで非常に良い経験となります。また、選択期間も柔軟で、自分の興味のある科に行ったり、地域医療実習で離島に行ったり、後述する海外実習にも行くことができるのも魅力の一つです。 他大学では、例えば2週間ずつ全ての科を回ったりと、臨床実習の内容が異なることので、是非比較してみてください。

②海外実習に行きやすい  

海外実習自体が設定されている大学は多いですが、実際は学年の超優秀な数人しか行けない、といったイメージがあるのではないでしょうか。慈恵は協定校が14校あり、アメリカのStanford大学やUCLA、イギリスのKing's college Londonからドイツ、シンガポール、タイまで様々です。私の学年では104人中21人が海外実習に行くことが決まりました!5人に1人が海外にいけるのは、他の大学と比べると珍しいのではないでしょうか。また、海外実習に際して、ネイティブの先生から英語の医療面接を練習する授業も組まれています。低学年のうちから英語を少しずつ勉強していれば、きっとチャンスはめぐってくると思います。

③研究活動も応援

正規のカリキュラム以外にも、学生のやりたいことを全力でサポートしてくださるカリキュラムがあることも特徴です。代表的なものがMD-PhDコースという、研究活動ができるカリキュラムです。基礎系の研究室に所属し、空いている時間を使って研究をすることができます。私も2年生の春休みから細菌学講座に所属し、黄色ブドウ球菌の研究を続けています。研究成果を学外の学会で発表する機会もあり、非常に良い経験となりました(写真)。

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④カリキュラム委員会

最大の特徴がカリキュラム委員会の存在です。その名の通り慈恵のカリキュラムを決めている委員会ですが、そこに各学年2,3人学生が参加し、学生の意見を届けています。私も2年生から学生カリキュラム委員として、新型コロナウイルス感染症によるe-learningシステム運営や、カリキュラム改革など、様々な部分で率直な意見を述べさせていただきました。また、2年生以上でも教養科目が学べるようなカリキュラムが欲しいとの声から、正規のカリキュラムの他に「後期教養教育」の設営を検討しており、これは本当に学生が主体となってカリキュラムを策定しています。 歴史ある医学部にも関わらず、大学の中心となる先生方はとても柔軟で、きちんと学生の声をカリキュラムに反映してくださり、とてもありがたいなと感じます。

以上になります! カリキュラムの特色というテーマでしたが、座学よりも実践や全人的医療を重んじ、学生の自主性を尊重する、隠されたカリキュラム(hidden curriculum)を感じていただけたら幸いです。本学が皆さんとご縁があることをお祈りしています。

(医学科5年 馬場有夢)※2023年1月掲載