「住めば都」
受験生の皆さん、はじめまして!私は慈恵医大の成績が良くも悪くもないしがない医学科3年生です。受験生へ向けた在校生からのメッセージの執筆をお願いされたので、私が受験生だった頃を思い返しながら慈恵医大での生活について、そして今頑張る受験生に伝えたいことをお話しさせていただきます。皆さんの受験勉強の箸休めにでもなれば幸いです。
私が慈恵医大に入学したのは2020年の春、ちょうど新型コロナウイルスの感染拡大が世間で騒がれ始めた頃でした。当然、入学式や新入生歓迎会は中止となり、4月にあったオンラインでの授業から、私の大学生活はぬるっと始まりました。以降はオンライン授業が続き、大学同期と顔を合わせることがないまま1年前期を終えました。後期からは対面での授業が徐々に再開しましたが、国領キャンパスにほとんど通うことなく2年生になりました。それ以降はたまにある新橋キャンパスでの授業に足を運びながら、基本は自宅で勉強する毎日です。しばらく部活もありませんでしたから、放課後に友人と遊ぶことと趣味のドラム、ボードゲーム...のみが僕の日々の楽しみでした。
ここまでの話を聞いて、なんだか慈恵って楽しくなさそうだなと思ったあなた。どうか読むのをやめないで下さい。字面にすると退屈そうな学生生活を送っている私ですが、今では心から楽しい学生生活を送れている自信があるし、慈恵に来てよかったなと思っています。確かにコロナの感染拡大によって制限された学生生活を余儀なくされている部分はありますが、その中でも楽しいことはたくさんありました。1年の春には同期のひとりが「きままに音楽部」と銘打って、zoomでのオンライン交流会を開催してくれました。そこでできた友人は今でも仲が良く、一生ものの友人ができたなと思っています。そのほかにも、感染対策を心がけながら旅行に行ったり、友達と一緒にご飯を食べたりと楽しんでいます。最近では部活動も始まり、私が所属する軽音楽部では約3年ぶりに新橋祭(医学科の学園祭)でバンドの演奏ができました!
また、大学の授業もユニークで面白く、型に縛られない授業形態は常に私たちを楽しませてくれます。特に3年後期にあった病院業務実習、在宅ケア実習では実際の医療従事者や患者さんと触れ合ったことで医師になる意味を再確認することができ、今後の医学学習のモチベーションを大きく高めてくれました。
ここまで私の学生生活について話してきましたが、受験生の皆さんにお伝えしたいことはひとつです。身も蓋もないと言われるかもしれませんが、結局のところ大学生活が充実するかどうかは、「どの大学に入るかではなく、入った先で何をするか」で決まるのではないでしょうか。私たちの代の場合、入学当初活動が制限され何もかもできない中でも、先ほど紹介した同期が開催してくれたオンライン交流会で友達を作ることができました。どんな環境に身を置かれたって、その中で工夫して楽しみを見出すことは可能だと思います。思えば、受験生時代慶應医学部の事しか頭になかった同期のひとりも、今では慈恵が大好きのようです。「絶対にあの大学に行きたい!」と志高く勉強を頑張ることはとっても素敵なことだと思います。心から応援します。ただ、もし夢破れてしまっても、与えられた環境を受け入れ、楽しむこと、自分を成長させることを諦めなければきっといい大学生活が送れると思います。住めば都とはよく言ったものです。
(トップ写真: 新橋祭での様子です。同期でEclipseというバンドを組んでいます。慈恵に入ったら、ぜひライブを見に来てくださいね!)
(医学科3年 Y.M.)※2023年1月掲載