私の合格体験記

はじめに  

私は、英語以外の科目では、塾に通っておりませんでした。そのため、勉強の方法をお伝えすることには、あまり自信がありません。しかし、この合格体験記が、私のように塾に通っていらっしゃらない方の参考になれば幸いです。以下に、私が各科目をどのように勉強したのかということと、そのなかで見出した良い勉強方法と悪い勉強法を紹介します。後者は、主観的な内容となりますので、ご了承ください。

《数学》  

数学は、まず、数研出版の『チャート式 基礎からの数学』、いわゆる青チャートのシリーズに、2,3周繰り返し取り組みました。その後、東京出版『大学への数学 1対1対応の演習』シリーズを、完璧に解けるまで演習しました。それ以降は、学校の授業での問題演習などでさまざまな大学の過去問を解くなどして、実際の入試問題に慣れるための勉強をしました。また、過去問演習と並行して、東京出版『大学への数学 数学ショートプログラム』という参考書に取り組んでいました(冒頭の写真)。私は、本書が数学の本質を理解するのに大変役立ったと考えています。本書は全ての単元や範囲を網羅する問題集ではありませんが、ほかの参考書にはあまり載っていない解き方や考え方などが多く掲載されているため、数学を塾に行わずに独学で勉強していた私には非常に有用な参考書であったと感じます。更に、掲載問題に数学的に興味深い内容のものが多い点も、本書の魅力です。

《英語》 

英語は、まずは単語を覚えないと話になりませんので、高校1年生でKADOKAWA『鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁』の内容完璧に習得することを目標に、単語を覚えていきました。高校1年生の終わりに、ほとんど完璧に覚えたと感じたため、それ以降は毎週長文の精読を重点的に行いました。高校2年生になると同時に、塾に通い始めました。塾の先生には高校2年生のうちに英語を終わらせ、高校3年生で理科や数学に時間を使えるようにしようと言われていたため、高校2年生の間に主要・定番の精読の参考書はほとんど取り組み終えました。私が英語の勉強に関して後悔していることは、一度覚えた英単語をほとんど復習しなかったことです。あくまで私の場合ですが、英語では一度身についた精読の力や、読解の力はあまり落ちることはありませんでした。しかし、単語の力は、復習しなければ必ず大幅に下がりました。したがって、英語は完成したからあまり勉強しなくても良いと感じても、単語だけはしっかりと復習しておくべきだと感じております。

《物理》  

物理は、まずは学研プラス『為近の物理基礎&物理 合格へ導く解放の発想とルール』という参考書で本質を理解した後に、河合出版『名問の森 物理』に取り組みました。物理は、ある程度解法に型があり、名問の森を着実に理解しながら演習すれば、その演習で得た力のみでほとんどの入試問題に太刀打ちできると思います。ただ、慈恵の物理に関しては、特殊な設定の問題が毎年出題されるため、見たことのない設定を自分の知っている分野に落とし込むような力を、過去問演習でしっかりと身に着ける必要があります。そうすれば、十分に合格最低点は越せると思います。

《化学》  

化学は、高校1年生頃までは学校で配られた数研出版『リードα』に宿題として取り組み、受験勉強としては、高校2年生頃から重要問題集を解き始めました。化学は、知識が重要な範囲と思考力が重要な範囲が明確に分かれていると思います。化学で大切なのは思考力が重要な分野です。まずはしっかりと考え、計算できるようにすることが必要です。暗記分野は受験本番の日に覚えていれば良いので、受験本番直前になるまでは軽く流れを押さえておき、直前に詰め込む形で良いと思います。早いうちに頑張って覚えても、結局忘れてしまうでしょう。

おわりに  

ここまで、科目ごとの私の勉強法を紹介しましたが、受験において大切なのは、自分にいちばん合う勉強方法を自分の頭で考えることだと思います。他人の勉強方法がすべて自分に合うということは、ほとんどないでしょう。また、自分に最も合った勉強法などというものは一生見つかるものではないと思います。しかし、だからこそ、自分の勉強法をより自分に合った効率の良いものに次々とグレードアップしていくことが重要だと私は思います。

(医学科1年 匿名)※2023年1月掲載