我が家のルール〜独り暮らしの実際〜
その日のうちに片付ける。独り暮らし歴3年の私の家のたった一つのルールだ。食器や服など、その日のうちに片付けないと、次の日もその次の日も食器や服の山を見ることになってしまう。山はどんどん大きくなり、気づいたときには片付ける気力がなくなっているのが日頃の常だ。「男やもめに蛆が湧き、女やもめに花が咲く(独り暮らしの男は家事がおろそかで不潔になりがちだが、独り暮らしの女は清潔で華やかである。)」ということわざがある。男性に限らず自分以外に自分の生活を注意する人がいない独り暮らしでは、ついだらけてしまうことが多い。朝寝坊をしても誰も注意してこないし、脱ぎっぱなしの服を放置しても誰からも怒られない。そのため、生活を充実したものにするために頼れるものは自分自身だけである。こうやって、自由に暮らしながら自分自身を律してタスク管理をする能力を鍛えられるのが独り暮らしのいいところである。
「その日のうちに片付ける」というのは、食器や服だけではない。食材も消費しきれない量を買わないようにすることも大事である。もやしや卵、魚など、安いからといってつい2つ3つ買うとあっという間に消費期限がきれて、結局無駄になってしまうことがある。(冷凍庫もいっぱいである。)これは、非常にもったいないし、かえって高くつく。友達や先輩・後輩とごはんに行くこともあるので、この3年間のうちに、自炊するときにはその一回の自炊で使う必要最低限の量しか購入しないようにするという結論に至った。
しかしながら、片付けるモチベーションを持たないことには、「その日のうちに片付ける」というルールを守りにくい。そんな私のモチベーションは、一、二週間に一度ほど行う、家族とのオンライン通話だ。ささやかな楽しみでもある。昨年まではすべて電話のみであったが、2020年はほとんど実家に帰省できず、またテレビ電話ツールも普及したため、今年からお互いの顔が見えるようになった。もちろん、お互いの表情を見ながら話せる点で便利なのであるが、一番恐ろしいのは、母親の突然やってくる「じゃあ部屋見せて!」の一言である。カメラから見える部分はいつも綺麗にしている。
独り暮らしをしてみて、実家での暮らしがどんなに良かったかを痛感させられた。家族がご飯を作ってくれたり、掃除してくれたりするし、話し相手がいる。しかし、実家暮らしの友達からは、独り暮らしの自由さ、快適さが憧れであると耳にした。いつだって隣の芝生は青い。私は自分が独り暮らしをできている今の環境に感謝し、いままで独り暮らしで培ったノウハウをこれから先も活かしていきたいと思う。そして、これまでの経験から、新しく独り暮らしを考えている後輩たちの不安や疑問も、私が片付けよう!
(医学科3年 丸田昂志)