明日の医療に役立つ研究に取り組んでほしい

繁田雅弘 教授(精神医学講座)x 藤田由見(医学科6年)

今回ご紹介するのは、アルツハイマー病などの認知症疾患を専門とする精神医学講座主任教授の繁田雅弘さんです。慈恵医大を一旦離れ、首都大学東京(現:東京都立大学。以下同じ)で学部長や副学長を歴任した後、再び慈恵医大に戻り、医療人材の育成や地域医療への貢献に取り組んでいます。

理屈を超えて惹かれるところがなければ研究は続けられない

藤田 精神科の臨床研究医を目指したきっかけは何だったのでしょうか。

繁田 私は親族などの身近に医師がいなかったために、研究医について具体的なイメージは持っていませんでした。ただ、医師としては、まず現場で臨床を経験してから、その先があるとは感じていました。研究するにしても患者さんのことを肌で知っておくことが必要だと思ったのですね。今もそれが続いています。 精神科に進んだのは、教えたり、指導したりするより、患者さんの話を聴く方が好きだし、得意だと思っていたからです。精神科医の基本は患者さんの話を聴き続けることです。話を聴く中で患者さんに気づきや発見をしていただきます。それを得意と感じていた私が精神科医を選んだのは自然の成り行きでした。

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