患者さんに寄り添う気持ちが革新的な治療方法につながった

安保雅博 教授(リハビリテーション科)x 南高岳(医学科6年(当時))

今回は患者の想いに応えるために、磁気刺激による革新的なリハビリテーション治療プログラム「NEURO(NovEl Intervention Using Repetitive TMS and Intensive Occupational Therapy)」を体系化したリハビリテーション科主任教授の安保雅博さんに、研究の内容や研究者としての想いなどについて話を聞きました。

少子高齢化問題への貢献が目標だった

 学生の頃から研究者への道を志してきたのでしょうか。

安保 そんなことは全くありません。私が目指していたのは研究者ではなく臨床家です。特に高齢者のために仕事をしたいと考えていました。今、少子高齢化が大きな社会問題になっていますが、私の学生時代にすでに予想されていたことです。4年生の時に公衆衛生学の実習でその現実を知りました。老人が多くなるということは、障害者が増えるということです。そこに寄り添う学問が必要だと思いました。幸い慈恵医大には当時としては珍しくリハビリテーション医学講座があったので、5年生と6年生の時に、リハビリテーション科の授業や実習を受けることができました。

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